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すっかり気温も下がり乾燥を肌で感じる季節になりましたが、皆さんは”お口”の乾燥を感じたことはありますか? 就寝時にお口を開けて寝てしまい、翌朝にお口のねばつきや乾燥・口臭を経験したことがある方は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
お口の乾燥は、さまざまなリスクを招く可能性があります。
そこで今回はお口の乾燥が及ぼす影響や対策予防について歯科の観点からお話しします。
まず第一に、唾液は消化作用があると同時に洗浄作用・抗菌作用・保湿作用であり、 歯や粘膜の保護作用・修復作用・中和作用でもあります。さらに、唾液はお口での働きだけではなく、全身の健康についても重要な役割を担っています。 一般的に、健康な成人は1日に1リットルから1.5リットルもの唾液が分泌されるといわれています。しかし口呼吸や喫煙、ストレスや高齢化に伴い唾液の分泌量が減少するこ とによって、ドライマウスになる可能性が高くなります。
そうしてドライマウスになると、冒頭でお話ししたお口のねばつきや乾燥、口臭が気になるようになり、話がしにくい、食事がしにくいなどの日常生活のストレスを感じるようになります。
そこで、お口の乾燥の対策予防について一部紹介させていただきます。
①よく噛んで食べましょう。
基本的なことですが、唾液の分泌には必要不可欠です。ドライマウスの方は唾液が少な いため飲み込みにくく、水分を多く含む柔らかいものを好む傾向があります。そうしてしっかり噛むことが減り、唾液の分泌量が減少することで悪循環になります。
②コップ一杯分の水や白湯を飲み水分補給をしましょう。就寝前にもできる簡単な方法ですが、これだけでも乾燥を防ぐ効果が期待されます。しかし、コーヒーやお茶など、カフェインを多く含むものは排尿作用があるため注意が必要です。
③室温・湿度は快適に過ごせるよう調整しましょう。乾燥しすぎた部屋や寒すぎる部屋では、鼻呼吸がうまくできない場合があります。冬なら16度から19度、夏なら26度以下を目安に室温を調整するのが理想的です。 湿度については50パーセント前後が快適に就寝できるといわれています。冬は加湿器を、(万が一口呼吸になってしまった場合でも、乾燥を軽減する可能性があります。)夏や梅雨時は除湿機を使い、湿度も調整して快適に休んでください。
④唾液腺マッサージをしてみましょう。
こちらはすぐに効果が期待できます。唾液腺には大唾液腺と小唾液腺があり、マッサージを行う場合は大唾液腺を狙ってマッサージしましょう。大唾液腺には耳下腺・顎下腺・舌下腺の3箇所があります。それぞれの位置をご紹介します。
(1)耳下腺
奥歯と耳の間にあります。人差し指で軽く押すようにマッサージしましょう。
(2)顎下腺
顎の骨の内側の柔らかい部分にあります。耳の下から顎の先まで指の腹を使い優しく圧迫しましょう。
(3)舌下腺
舌の付け根の辺り、下あごのくぼみ部分を両手の親指の腹で軽く圧迫しましょう。
上記以外にもまだまだ対策予防はありますが、個人でできるものには限界があります。 重い症状でお悩みの方は、一度当院にご相談してみてはいかがでしょうか。