歯科で使う局所麻酔と気を付けるべき内科疾患
投稿日:2025年6月12日
カテゴリ:スタッフブログ
こんにちは。
いつも歯科医院のブログを見ていただき誠にありがとうございます。
今回は、歯科で使用する局所麻酔についてお話ししていこうと思います。
当院で使用している局所麻酔は2種類あり、アドレナリン含有リドカインとシタネストを使い分けて
います。よく使用されるのはリドカインになります。
これから、アドレナリン含有リドカインについてお話しします。
まずアドレナリンが入っていますが、これは血管収縮を目的として入っています。
アドレナリンによって血管が収縮することで注入した麻酔薬が血管に入りにくくなり
麻酔薬が注入部位に残りやすくなります。そのため効果時間の延長が期待できます。
また血管が収縮することで出血が抑えられ、処置している術野の視野確保にも有利に働きます。
まとめるとアドレナリンによって効果時間の確保、止血作用とそれに伴う術野確保が目的で
添加されています。
しかしアドレナリンには他の作用もあり、交感神経を刺激する作用があるため血圧を上昇させ
心臓の負荷を増加させ、血糖値を上げる作用があります。
したがって高血圧、動脈硬化、心不全、糖尿病、甲状腺機能亢進症といった内科疾患を有する場合は
注意が必要になってきます。
そういった内科疾患を有する場合には、シタネストという麻酔で処置を行なうこともあります。
シタネストにはオクタプレシンという血管収縮薬が入っていますが、アドレナリンと比べると
作用が弱いです。
したがってアドレナリン含有リドカインとシタネストを比べると麻酔作用はアドレナリン含有
リドカインがすぐれています。
治療の際は、内科疾患が管理(コントロール)され、血圧、血糖値などが問題ないかを
まず確認します。血圧が収縮期で180を超えていたり、HbA1cが7.0を超えている場合などは
一度内科の受診をしていただき管理をお願いすることがあります。
治療を行なう場合は、基本的にはアドレナリン含有のほうを使用します。理由は前述のように
麻酔作用に優れるからです。人は痛み刺激を感じると、交感神経系の作用により血圧上昇、
血糖値上昇、心拍数上昇といった内科疾患には不利な反応がおきます。
したがって麻酔作用が弱いシタネストを使って痛み刺激を与えるよりも、しっかりとリドカインで
麻酔を効かせたほうが結果として血圧上昇などが抑えられるからです。
痛くない麻酔は重要ということです。
さいたま市中央区で痛くない麻酔をご希望の方はぜひご連絡をお願いします。
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